全国旅行支援の詳細情報をわかりやすく徹底解説!

国内旅行を検討している人なら「全国旅行支援」と耳にしたことはないでしょうか。2022年6月17日、観光庁は全国を対象とした観光需要喚起策として、全国旅行支援の実施を発表しました。2022年9月30日宿泊分(10月1日チェックアウト分)で県民割支援が終了し、10月11日から全国旅行支援が始まりました。この記事では、全国旅行支援の期間や対象、内容などを詳しく紹介します。

全国旅行支援いつからいつまで?開始は10月11日スタート!

全国旅行支援いつ

2022年6月に観光庁が発表していた全国を対象とした観光需要喚起策について、2022年9月22日、岸田首相は全国旅行支援の開始時期について言及し「2022年10月11日」に「全国旅行割」と名称を変えたうえで開始すると発表しました。

全国旅行支援は、県民割の全国版といわれる支援策です。終了時期は予算が尽き次第または、12月20日までとなります。

全国旅行支援の対象は全国民!利用条件は?

全国旅行支援利用条件

全国旅行支援を利用できる対象者は「全国民」です。ただ、各都道府県により実施の希望をするかしないかを決められるので、実施を希望しない都道府県を行き先とした旅行では利用できません。利用するには条件が設けられており「新型コロナウイルスのワクチン3回接種証明書」か「PCR検査、抗原定量検査(検体採取日+3日)、抗原定性検査(検体再採取+1日)いずれかの陰性証明書」のどちらかが求められます。

また、免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの住所と名前が確認できる身分証も必要です。

全国旅行支援の割引の仕組み|いくらまで還元される?

全国旅行支援の割引

全国旅行支援は、国内旅行の料金が最大40%の割引が受けられる制度です。ただ、割引には利用者1人1泊あたりで、以下の割引上限額が定められています。

全国旅行支援の割引上限
  • 航空機や鉄道、バスなどの交通費を含む宿泊旅行プラン:上限額8000円
  • 宿泊だけの旅行プラン:上限額5000円

例えば3万円の交通費を含む宿泊旅行プランの場合は、3万円の40%にあたる1万2000円割引なので料金は1万8000円です。しかし、交通費を含む宿泊旅行の上限が適用されるので8000円の割引になります。

したがって、3万円の交通費込み旅行の場合は、上限額8000円割引の2万2000円で旅行を楽しむことができるのです。また、平日と休日の割引率や割引上限額の違いもあるため注意が必要です。

全国旅行支援は住んでいる都道府県内で利用できる?

全国旅行支援は住んでいる都道府県内で利用できる?

全国旅行支援は、同じ都道府県内で利用できるのでしょうか。結果からいうとOKです。GoToトラベルでも、利用者が居住する都道府県内でも利用できました。同じく利用可能です。

全国旅行支援でも、住んでいる都道府県内での利用ができるため、「最大40%の割引」「交通費を含む宿泊旅行プラン:上限額8000円」「宿泊だけの旅行プラン:上限額5000円」の適用されます。

福岡市に住んでいる親子4人の例

例えば、福岡市に住んでいる親子4人が、福岡市内のホテルに大人1泊1人1万5000円、子ども1泊1万円の宿泊旅行をしたとしましょう。この場合、宿泊のみの旅行なので1人1泊あたり「上限5000円とした宿泊費の40%」が割引されます。大人料金は1万5000円なので40%割引で9000円です。割引額が上限を超えているので上限5000円割引が適用され宿泊費は1万円になります。

子ども料金は1万円なので40%割引で6000円です。4000円割引になり、上限を超えていないので最大40%の割引を受けられます。この結果、大人1人1万円 × 2人 + 子ども1人6000円 × 2人 = 総額3万2000円。通常価格5万円の宿泊旅行が、全国旅行支援を利用することで1万8000円引きの3万2000円で利用できることになります。

全国旅行支援のクーポン券とは?

全国旅行支援のクーポン券

全国旅行支援では、旅行先で宿泊日と翌日に飲食店や土産物店、交通、小売店などで利用できるクーポン券が配布されます。すべての店舗や交通で使えるのではなく、全国旅行支援の制度に賛同した場所でのみ利用できるクーポン券です。

クーポン券の金額は休日と平日で異なり、1人1泊あたり休日は1000円、平日は3000円分のクーポン券が配布されます。

もともと休日の旅行需要が高いことから、平日の旅行を促す意味で差額があるものです。全国旅行支援における休日と平日の定義は以下の通りです。

  • 休日:「土曜日」
  • 休日:翌日が祝日の「日曜日」
  • 休日:翌日が土曜か祝日の「祝日」
  • 上記以外の日曜日から金曜日

宿泊日が土曜日の場合はすべて休日扱いです。月〜金曜日、日曜日、祝日に宿泊する場合は、翌日が土曜日か祝日なら休日扱いになります。

他はすべて平日です。また、県民割では現地ホテルのチェックイン時や旅行代理店からクーポンが配布されましたが、同様にクーポン券は紙のみとなります。クーポン券は旅行代金の割引とは関係なく配布されるので、旅行代金の割引と合わせると1人あたり1泊で最大1万1000円もお得です。

全国旅行支援とGoToトラベルとの違いは?どこが主体なのか

全国旅行支援とGoToトラベルとの違い

2020年12月から一時停止されている「GoToトラベル」ですが、全国旅行支援とどのような点が異なるのでしょうか。コロナ禍の影響で再開の目処が立たないGoToトラベルですが、2021年9月に「新たなGoToトラベル事業」として、2020年実施時と内容が変更されています。

新たなGoToトラベルの内容は、以下の通りです。

新たなGoToトラベル
  • 最大割引率:30%
  • 割引上限額:交通付き宿泊1万円、宿泊のみ7000円
  • クーポン券:休日1000円、平日3000円

全国旅行支援と新たなGoToトラベルとで異なる主な点は、「最大割引率と割引上限額」です。

全国旅行支援

全国旅行支援では、交通付き宿泊で最大割引40%の上限8000円で、宿泊のみは上限5000円となっています。

例えば3万円の交通付き1泊旅行では、全国旅行支援の利用で2万2000円、新たなGoToトラベルでは2万1000円です。1泊5000円の宿泊だけの旅行なら、全国旅行支援で3000円、新たなGoToトラベルで3500円になります。

ただ、全国旅行支援とGoToトラベルでもっとも異なる点は、どこが主体になっているかです。

全国旅行支援は各都道府県の知事の判断で、自らの都道府県を除外することができます。そのため、感染拡大などが起これば、自地区だけ全国旅行支援を停止するなどの柔軟な対応が可能です。

一方のGoToトラベルは国が主体なので、一部の地区で感染が広がった場合は制度自体を停止する必要があります。このように、柔軟な対応ができるかできないかに大きな違いがあるため、国主体のGoToトラベルは再開の目処を立てられないと考えられます。

全国旅行支援と県民割の違いは?利用できる対象者

全国旅行支援と県民割の違い

全国旅行支援と県民割の異なる点は、利用できる対象者です。全国旅行支援は国内に居住している人なら制度に賛同している都道府県のどこに旅行しても適用されます。

県民割は、同じ都道府県内および隣県からの旅行者が対象です。2022年の4月1日から地域ブロックによる対象の拡大も行われましたが、住んでいる地域によって限られています。そのため、全国旅行支援は県民割の全国版と考えられている制度です。県民割の割引内容などは以下のようになっています。

県民割の割引
  • 最大割引率:50%
  • 割引上限額:5000円
  • クーポン券:最大2000円

全国旅行支援と県民割とでは、主に割引率と割引上限額が異なります。

全国旅行支援では、交通付き宿泊で最大割引40%の上限8000円で、宿泊のみは上限5000円です。例えば1泊5000円の宿泊のみの旅行なら、前述したように全国旅行支援で3000円ですが、県民割では2500円で利用できます。

全国旅行支援でお得な旅をする使い方

全国旅行支援でお得な旅

全国旅行支援で還元率だけを考えた場合、もっともお得に利用するなら平日に5000円以下の宿に泊まることです。例えば1泊5000なら40%にあたる2000円が割引され、平日のクーポン券3000円がもらえます。そのため、1泊5000円以下の旅行なら還元率100%となり実質無料で楽しめるのです。

交通付き宿泊で8000円、宿泊のみは5000円と上限割引額が決められているので、旅行代金が高くなればなるほど還元率は悪くなります。

全国旅行支援のシミュレーション!東京から沖縄旅行に行くとどれくらいお得か

東京から沖縄

全国旅行支援を使って、以下の条件で東京から沖縄旅行をした場合、どのくらいお得になるのかをシミュレーションしてみましょう。

シュミレーション①の場合(4人家族・平日と休日の2泊3日)

  • 東京から沖縄への交通費込のパック旅行
  • 日程は金曜日から日曜日までの2泊3日
  • 大人2人と子ども2人の4人家族
  • 1泊1人あたり大人料金6万円、子ども料金5万5000円
  • 4人分の通常価格は合計で46万円

宿泊費

宿泊費については、大人も子どもも関係なく「交通付き宿泊の上限額8000円」の割引が1人1泊ごとに適用されます。4人家族で2泊するので8泊分の割引が適用され、割引の合計額は「6万4000円」です。

クーポン

次にクーポン券ですが、1泊目が金曜日なので「平日扱い」となり1人あたり3000円で1万2000円の配布、2泊目は土曜日なので「休日扱い」になり1人あたり1000円で4000円が配布されます。4人の2泊分を合わせると、受け取れるクーポン券は「1万6000円」です。

これら全国旅行支援の割引やクーポン券の利用により、以下のようになります。

  • 交通費を含む宿泊費が6万4000円お得
  • クーポン券の配布により実質1万6000円お得
  • 合計で8万円お得

結果:全国旅行支援を利用すれば、通常価格46万円だった家族4人での2泊3日の沖縄旅行が、38万円で楽しめることになります。


シュミレーション②の場合(6人家族・平日のみ1泊)

  • 東京から沖縄への平日1泊の交通費込みのパック旅行
  • 祖父母、夫婦、孫2人の6人家族での旅行
  • 大人料金1人あたり6万円、子ども1人あたり5万5000円
  • 6人分の通常価格は35万円

宿泊費

割引は交通付き宿泊の最大8000円が大人も子どもも関係なく適用されるので、割引後は大人1人あたり5万2000円、子ども1人あたり4万7000円になります。この時点で、30万2000円で4万8000円お得です。

クーポン

さらに、それぞれ3000円のクーポン券が配布されるので、6人分で1万8000円分になります。

  • 交通費を含む宿泊費が4万8000円お得
  • クーポン券の配布により実質1万8000円お得
  • 合計で6.6万円お得

結果:通常価格35万円の沖縄旅行が実質6万6000円割引され、28万4000円で楽しめるのです。

全国旅行支援にあとから割引は?旅行予約サイトの対応状況

全国旅行支援あとから割引

全国旅行支援における「あとから割引」について、旅行予約サイトにおいてはどのような対応を考えているのでしょうか。あとから割引とは既に予約している旅行予約について、全国旅行支援の割引をあとから自動で適用するサービスです。

例えば、既に10月11日以降の全国旅行支援開始後の日付で旅行予約していた場合、キャンセルして予約を取り直すなどしなくても割引が適用されます。楽天トラベル、るるぶトラベル、じゃらんnetなどの大手旅行予約サイトでは、2022年9月22日時点で「あとから割引」の対応を発表していません。

9月上旬には、各サイト「あとから割引を準備している」としていましたが、情報が削除されています。そのため、各サイトは観光庁から全国旅行支援の詳細が発表されてから、対応を決めるものと考えられます。

▼最新情報▼

全国旅行支援開始前の楽天トラベルの対応は?あとから割引決定!

楽天トラベルではあとから『割引申請』が可能です。具体的には下記のステップで申請が必要!

必ず割引申請ボタンから申請して完了してください。