釜山は、福岡から1時間ほどでゆける韓国の都市です。広報活動の一環として、BTSが2030釜山国際博覧会誘致祈願コンサートを開催することでも話題になっています。開催は2022年10月15日、土曜日です。そこで釜山への旅行を計画している人に向けて、行き方から観光情報まで詳しく解説します。BTSの釜山コンサートについての情報もあります。
釜山はいつから行ける?何が必要なのか?

2022年8月3日から観光目的で入国する場合に限りビザ免除措置が限時的に再開されており、10月31日出発分まではビザなしで韓国に入国可能です。ただし出発の24時間前までに電子渡航認証システム「K-ETA」の申請を行い、旅行許可を受けることが義務化されています。K-ETAのホームページかモバイルアプリから、個人情報と旅行関連情報を入力し許可が下りれば韓国行きの航空機に搭乗できます。
検疫情報事前入力システム(Q-CODE)は、検疫時間の短縮と手続きの簡素化を目的としたシステムです。航空機への搭乗前までにサイトから検疫関連情報を入力すると、QRコード(Q-CODE)が発行されます。検疫関連情報とはパスポート情報や、ワクチン接種証明書・隔離免除書の検疫情報などのことです。韓国到着時の空港で検疫書類の提出とともに、保存又は印刷したQRコードを空港の検疫職員がスキャンすることで手続きが完了します。船便は、2022年9月22日の時点では全便運休中です。
「K-ETA」と「Q-CODE」に関してはこちらの記事で細かく解説しています。
https://www.pelican-travel.net/korea/
韓国に入国したら必要なコトやモノは?

韓国に滞在するには入国後1日以内にPCR検査を受け、結果が出るまで予約した宿泊施設で待機しなければなりません。1日以内とは、到着翌日の23時59分までです。入国時の検査は、空港内の「コロナ19検査センター」で受けることができます。PCR検査の結果が出たら検疫情報事前入力システムに入力します。万が一陽性になった場合には7日間の隔離となり、観光旅行などの短期滞在者の医療費は自己負担です。マスクの着用など一般的なコロナ対策をしたうえで、滞在6日から7日目には迅速抗原検査の実施が勧告されています。
3回のワクチン接種を受けていない場合は、帰国にも出国前72時間以内に発行された陰性の検査証明書が必要になるので、帰国の予定に合わせてPCR検査のための医療機関を予約して検査証明書を取得しましょう。検査証明書の書式はありませんが、厚生労働省が指定する「検査法」や「医療機関名」などの項目が記載されている必要があります。韓国を出発する際に、接種証明書又は検査証明書を所持していない場合は航空機への搭乗を拒否されます。
釜山への行き方は?釜山の空港から市内への行き方は?

釜山への空路の窓口は、金海(きめ)国際空港です。金海国際空港までの直行便があるのは、日本航空と大韓航空、デルタ航空などです。チェジュ航空やエアプサン、イースター航空など多くのLCCも就航しています。直行便が利用できる日本の空港は成田・関西国際・中部国際(セントレア)と、福岡・新千歳・那覇空港です。金海国際空港は、釜山広域市の中心部から約15km北西にあります。市内へはタクシーとバス、電車とレンタカーが利用できます。
タクシー乗り場は、到着階のロビーを出たところにあります。メーター制で料金は日本よりも安く設定されていますが、深夜は割増料金です。ドアは自動ではありません。韓国には一般タクシーと、デラックスタイプの模範タクシーがあります。模範タクシーは黒の高級車で、料金は一般タクシーよりも高くなりますが運転手に外国語が通じることも多いです。リムジンバスは、市内と市外の2路線で運行されています。乗り場は到着ロビーを出たところにあり、市内方面は2番乗り場です。
市内各方面に向けて、路線バスも運行されています。乗り場はリムジンバスと同じく到着ロビーを出たところにあり、停留所の3番です。料金は、乗車の際に運転手に支払います。電車は、金海軽電鉄というモノレールになります。乗り場はターミナルを出て、横断歩道を渡った右側にある空港駅です。沙上駅方面行きに乗り、市内へは沙上駅で地下鉄に乗り換えます。レンタカーは、到着ロビーにある各社サービスカウンターで手続きができます。
釜山のグルメとおすすめ観光スポットは?

釜山は海の街として有名です。釜山ならではのグルメと言えば、郷土料理のナッコプセが挙げられます。ナッコプセは、ピリ辛のタコ鍋料理です。タコだけでなく、ホルモンと小エビも入っています。そのまま食べれば韓国焼酎によく合い、シメにはインスタントラーメンやうどんを追加して味わいます。ご飯にかけても美味しいです。
ヒラメやクロソイなどの、白身魚の刺身も食べられます。刺身醤油の他に、チョジャンと呼ばれるお酢入りの唐辛子味噌につける食べ方もあります。チョジャンで、他のおかずと一緒にサンチュなどの葉野菜に包んで食べる韓国式も試してみましょう。
屋台には、オムッと呼ばれる釜山おでんがあります。魚のすり身をさつま揚げのような練り物にして串に刺したもので、1950年代ごろから営業している店もあり、港町釜山のオムッは美味しいと評判です。
美しいビーチの多い釜山ですが、その中でも有名なのが海雲台海水浴場です。海雲台区中洞にあるリゾート地なので、ビーチの周りには高級ホテルが立ち並び夜景もきれいです。
韓国八景の1つに数えられ、白砂が続く海岸を眺めながら食事やティータイムも楽しめます。ビーチ沿いには無料の足湯もあり、10月には釜山国際映画祭の特設会場ができて世界からスターが集まるなど1年中賑わっています。中区南浦洞のチャガルチ市場には、韓国でも有数の新鮮な魚介類がそろいます。1階で買った魚介類を2階で調理してもらって食べられるので、食いしん坊にはたまりません。中区光復洞の龍頭山公園にある釜山タワーは、1973年に建てられた釜山のシンボルとも言える建物です。120メートルの高さがあり、展望台からは釜山港や釜山市内を一望できます。
釜山は日本で言うとどんな地域?第二の都市と言われる歴史を紐解く!

釜山は、ソウルに次ぐ韓国第二の都市と言われています。日本の第二の都市は大阪府ですが、街並みや人の気質も大阪に似ているそうです。「プサンマル」と呼ばれる方言もあり、個性的なイントネーションが大阪弁に似ているようです。海の街であることから、釜山郊外は長崎に似ているという印象を持つ韓国人もいます。
釜山という名前が初めて登場するのは1470年の「成宗実録」ですが、このころにはまだ「富山」という名称も使われていたと推測されます。1481年に編纂された「東国輿地勝覽」では「山の形が釜のようなので釜山と呼んだ」と書かれており、釜山が定着したのは15世紀末期だと考えられます。1876年に開港されるまでは、東莱府周辺の田畑地域が中心地でした。それ以後は倭館と呼ばれる日本人専管居留地租界ができ、鉄道や埠頭が開設されるなど倭館周辺が急速な近代化を見せます。1900年代に入ると北濱と南濱の海岸が埋め立てられ、中区地域が誕生しました。1921年には、釜山港桟橋も建設されています。釜山は海の窓口として、古代から日本とも活発な交流がありました。
釜山はソウルと比較して旅慣れた人のための観光地なのか?

先ほど日本の都市と釜山を比較しましたが、韓国と言えば釜山という人は、日本と言えば大阪という人同様に旅慣れているのではないでしょうか。ソウルと釜山を比較すると、空港から市街地までにかかる時間が、どんな乗り物でも釜山の方が短いことが挙げられます。
ソウルの観光地は市街地から遠く、明洞からはソウルタワーが見えるものの歩いて行くのは大変です。ショッピングが楽しめる東大門は、ソウル駅から5駅目にあります。ソウルで観光地を回るなら、バスや地下鉄を利用した方がよいでしょう。
その点、釜山には徒歩圏内に観光スポットがたくさんあります。ご紹介した釜山タワーからチャガルチ市場も、海を見ながら散歩がてらに行くことができます。
釜山は物価も安く、ショッピングエリアが狭いのでお土産を買うには適しています。食事も安く食べられます。観光客の多い南浦洞では、日本語と少しの韓国語で大丈夫です。短い時間で韓国を満喫するには釜山が向いています。
2030釜山万博広報大使に公式委嘱されたBTSの釜山コンサートについて

2030年の釜山国際万博誘致を祈願して、2022年10月15日にBTSのコンサート「WORLD EXPO 2030 BUSAN KOREA CONCERT BTS in BUSAN」が開催されます。
会場は釜山アジアド主競技場の日光(イルグァン)特設ステージで、午後6時から行われ10万人規模の公演になる予定です。
釜山港国際旅客ターミナルの屋外駐車場では、1万人規模のLIVEPLAYも行われます。公式ストリーミングプラットフォームWeverse LIVEで、コンサートの模様が世界に向けて無料生中継され、英語・中国語・日本語の他、タイ語やベトナム語など8か国語で楽しめます。